DVの現状
沖縄県内の病院看護師から
病院の看護師のなんと3割が、実際にDV被害女性の看護を経験しています。
「DV被害の方を何とか助けたいと思うが、どう対応したらいいかわからない」
「DVでは?と思っても、本人からどう聞き出せばいいのか困った」

全国ではどのような傾向がある?
「女性の約3人に一人」「男性の約5人に一人」は、配偶者から被害を受けたことがある!
DVの相談件数は増加傾向にあり、ここ数年高水準で推移している!

相談者は、30代・40代が半数以上を占めており、相談内容の約6割が精神的DVを含んだ相談となっている。
相談者の年齢
相談内容(複数回答)
DS-IPV開発の背景
なぜ開発されたのか
「DV被害とは何か」「DVとは何か」が分かりにくいことがまず挙げられます。そして、被害者自身も
気づいていないことがあり、たとえ気づいていても、他者に説明するのが難しい(恥ずかしい、どう表現していいかわからないなど)
のが現状です。
医療関係者・行政担当者にとって、被害の認識、発見、把握がとても難しいため、被害の測定と暴力の可視化ができる尺度の
必要性を考え、本尺度を開発しました。
DS-IPV 内容
記入・評価方法
尺度(右下表)の質問項目(1~22)に回答された
「ほとんどない(1点)」~「ほとんどいつもある(4点)」
の数字を得点化して合計得点を算出します。
それを回答項目数で割り、平均得点を算出します。
合計得点28点以上を「IPVあり」と評価します。(カットオフ値:28)
ただし、無回答の項目は、「ほとんどない」の項目に〇をつけて下さい。
DV被害者発見尺度
★あなたご自身についてお答えください(該当するものに〇をつけて下さい)。
性別( 女性 男性 その他) 年齢(年代):10代 20代 30代 40代 50代 60歳以上
★病気や健康問題は、日常生活や人間関係と深く関連しています。あなたの身近にいる方(配偶者、恋 人、パートナー)との関係性についておたずねします。
«記入について» 質問項目(1-22)の各文を読んで、右側の番号(1-4)より一番あてはまる ものを1つ選び、○印をつけてください。答えに迷われた場合は、不明と せず、もっとも近いと思うものを選んでください。また、回答の途中であっ ても辞退することができます。 ※この設問の「相手」とは、パートナー(配偶者または恋人など親密な関 係の方)のことです。 |
ほとんどない | ときどきある | しばしばある | ほとんどいつもある | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 相手は都合が悪くなると何でもあなたのせいにする | 1 | 2 | 3 | 4 |
2 | 相手はあなたの相談事(心配、不安や訴えなど)を真剣に受け止めない | 1 | 2 | 3 | 4 |
3 | 相手はあなたの具合の悪い時でさえ、冷たく、つらくあたる | 1 | 2 | 3 | 4 |
4 | 相手は趣味、ギャンブルや飲酒などにお金を使い、経済的に苦しめる | 1 | 2 | 3 | 4 |
5 | 相手はあなたの趣味、スポーツ、テレビなどの余暇活動を否定し、嫌がる | 1 | 2 | 3 | 4 |
6 | 相手は自分の暴力や暴言を酒やストレスのせいにし、正当化し、責任を逃れることがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
7 | 相手は人前であなたの悪口を言ったり、恥をかかせたりする | 1 | 2 | 3 | 4 |
8 | 相手はあなたの社会的活動(宗教、信仰、地域活動など)を否定し、嫌がる | 1 | 2 | 3 | 4 |
9 | 相手はお付き合いを始めたころより言葉や態度が暴力的になった | 1 | 2 | 3 | 4 |
10 | 相手は生活上の問題(家事、育児、仕事など)で、あなたを責める | 1 | 2 | 3 | 4 |
11 | 相手はあなたの家族や友人を非難することがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
12 | 相手はあなたが誰と会って、何をしているかなど、交友関係や行動について、友人や家族など、周囲の者から聞き出す | 1 | 2 | 3 | 4 |
13 | 相手はあなたの行動を細かく聞き出し行動を制限しようとする | 1 | 2 | 3 | 4 |
14 | 相手は無断であなたの携帯電話、メールや手紙などをチェックすることがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
15 | 相手はあなたの周囲の者にあなたの悪口やうわさをふき込み、あなたから周囲の者を遠ざけようとする | 1 | 2 | 3 | 4 |
16 | 相手は壁に物を投げたり、物を壊したりして脅すことがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
17 | 相手はあなたに向かって、物を投げることがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
18 | 相手は怒鳴ったり、わめき散らすことがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
19 | 相手のきげんや顔色をうかがってばかりである | 1 | 2 | 3 | 4 |
20 | 相手に対して自分は力がない、非力であると思うことがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
21 | 自分より相手を優先するようにしている | 1 | 2 | 3 | 4 |
22 | 相手のことが怖くなったり、重いと感じることがある | 1 | 2 | 3 | 4 |
DS-IPVの利活用
利用シーン
たとえば、一般的な問診の場面などで、DV被害が疑われるときや、 本人や家族などから訴えがあったとき、病院、市町村保健センター、 警察、配偶者暴力相談支援センターなどの相談機関で使えます。


DV(暴力)被害を発見すると・・・

DS-IPVを利用することで、DV(暴力)を可視化でき、被害者を見つけ出すことができます。
それに伴って、被害者支援・連携が可能となり、加害者対策を講じることも可能になります。

DV被害者発見尺度利用後の評価
被害女性の役に立った(「被害の内容、程度が分かる」「口で言いにくいことも伝えられる」など)
被害女性支援業務の負担軽減になった(「時間の短縮になった」「相談者に聞く内容をまとめられる」など)
関係機関との連携に役立った(「この結果をもとに報告した」など)
DS-IPV(IPVスクリーニング)
DS-IPV因子構造
DS-IPVは、
〇「不安喚起的要因」
〇「行動制御・抑制」
〇「威圧・脅し」
〇「日常的に抱く感情」
の4因子から構成されており、DS-IPVの各質問と、右下図(DS-IPV因子構造)
で示すように対応します。
【参考文献】
-
Masaki Shinjo, et al. Development of an early detection scale for intimate partner violence to occur in relationships under power and control. Japan Journal of Nursing Science, 2020. DOI: 10.1111/jjns.12369
